開幕から好調の巨人に見る今後の課題。

 球界の盟主が開幕から好調だ。
 開幕戦でセ・リーグ3連覇中のカープに屈するも、その後2連勝でカード勝ち越し。その後、本拠地開幕となった伝統の一戦では、タイガース相手に3タテと現在リーグ首位を走り、4月10日現在チーム打率.278、チーム防御率3.00と共にリーグ1位を記録している。

 目立つのは上位打線。1番吉川(打率.432)2番坂本(打率.412)とともに打率4割を超え、毎年スロースターターである丸も打率.298と、何とか踏ん張りを見せている。また、打てなくとも相変わらずの選球眼で四球を選ぶという、調子の良し悪しに影響されず好機を作り出せている。

 4番岡本も打率こそ低いが本塁打3本と、悪いながらも持ち味を発揮しており、9日のドラゴンズ戦では7番に入った新外国人ビヤヌエバが2本のホームランと活躍を見せた。この日も4番岡本、5番陽、6番ゲレーロと打率こそ低いもの長打が期待できる打者が続いており、上位の出塁を誰かが得点につなげるといった、大味な攻撃パターンが功を奏している。チーム成績にも表れており、三振数リーグ1位、本塁打数リーグ1位とまさに大味な攻撃が顕著になっている。

 この調子でシーズンが乗り切れればいいが、打撃は水物。いつ上位陣の調子が落ちるかもわからない。リスク管理という意味では丸のように調子に左右されない選球眼や、スランプはないと言われる、足を絡めた攻撃も必要になってくるであろう。

 そんなチームの状態に余裕のある今、足のスペシャリストとして名を馳せた鈴木コーチには、是非足のスペシャリストを。現役時代はくクセ者と呼ばれた元木コーチには2代目クセ者を育て上げてほしいものである。去年までの金本タイガースに見るように勝利と育成の両立は難しい。そこに着手するタイミングとしてはこれ以上ない時を迎えているように思う。