リード守れず新人の2勝目逃す。

17日、対広島カープ5回戦@熊本。巨人先発は2018年ドラフト1位の高橋優貴。昨年のドラフトでは現中日の根尾、現楽天の辰巳を外して、高橋を指名した経緯がある。根尾も辰巳も4球団競合となっただけに外れは仕方のないところではあるが、球界の盟主たるもの、昨年の甲子園で一躍スターとなった現日本ハム吉田輝星の指名に行かなかったことに残念と思った方も多かったのであろう。そうなれば「高橋でよかった」と思わせる結果が欲しいところ。前回の初登板では、球団59年ぶり大卒新人初登板初勝利を6回4安打1失点で決めるなど幸先の良いものとなった。

2試合目の登板だが、結果から言うと6回途中1失点、リードしたまま中継ぎへとバトンを繋いだものの、後続が打たれ勝ちは消えた。チームも抑えのクックが打たれ敗戦を喫した。高橋自身も1失点としたものの7与四死球と課題は多かった。次回も期待したい。

一方攻撃陣は上位打線が相変わらずの好調と言って良いだろう。この日は4得点とし、1番に入った坂本はノーヒットだったものの、丸、ビヤヌエバ、岡本、亀井、ゲレーロはいずれもマルチヒットないし打点を記録している。今年加入の丸、ビヤヌエバの影響は非常良い結果をもたらしている。

こうなると課題は下位打線であると思われるかもしれないが、この打線好調が若手育成のチャンスであるのではないだろうか。吉川尚輝のケガで内野は一枠空いており、これまで田中俊太、吉川大幾、山本泰寛の3人が入れ替わり起用されているが、原監督は相手投手の左右での使い分けが続いている状況だ。16日の山本に関しては2安打1四球とアピールできたように見えたが、幾多の修羅場を経験している指揮官からしたら、まだ及第点に至らないのであろう。

捕手も同様である。守備面は投手の信頼も含め小林に分があるように思えるが、打撃をアピールできれば各者とも形勢逆転は十分に期待できる。

若手育成が常に課題となっている巨人にとって今こそ、その解決のチャンスになるであろう。

吉川(尚)の離脱。

14日巨人吉川(尚)が登録抹消となった。前々日の試合から腰痛で欠場していただけに、気になるところであったが、案の定。今季ここまでの打率.390のみならず広い守備範囲もあり、攻守に渡り活躍していただけに非常に痛手となった。

変わって二塁には12日は田中俊太、13、14日の試合は吉川(大)が出場。相手投手の左右によっての使い分けであろうが、今の所穴を埋めるほど、とは言えないところだ。しかし攻撃に目を向けると2番から続く坂本、丸、岡本の好調もあり3試合続けて6得点。得点への影響はないと言える。守備に関しても元々好守の二人だけに大きな影響はないであろう。

吉川(大)は、キャンプ中から原監督からの強い意向から、現役中は走塁のスペシャリストとして名を馳せた鈴木コーチからの付きっきりで指導を受けており、代走を中心とした起用が続いており、このチャンスでアピールしたいところである。個人的には高校2年夏の大阪大会で1大会5本塁打をマークした打撃を期待したい。

一方田中俊太に関しては、相手ピッチャーの左右によりサードでのスタメン出場もしれいたもの、新外国人ビヤヌエバの好調もあり、ベンチスタートが続いている。常勝巨人においては、育成よりも目先の勝利、まして今年は優勝が至上命題であり、育成に手が回らないのは理解できてしまう。しかし田中も安定的な攻守のみならず、昨年はリーグトップの三盗数を記録するなど、兄(広輔=広島)譲りの積極性をアピールしたいところである。

4月10日巨人岡本復調か。

 4月10日、チームは敗れてしまったが、若き4番岡本が復調の気配だ。

9日終了時までに打率.184と不調と言っていい岡本であったが、この日は4打数2安打、打率も2割台に乗せチーム全打点を叩き出す2打点と結果を出した。しかしこれまで打率は低くも、打点はゲレーロに次いで丸と並び9打点、この日でチームトップタイの11打点となった。不調が続くとなかなか浮上のきっかけがつかめないであろう若手だが、とにかく吉川、坂本、丸の調子が良く、チャンスで回ってくる。打てば高確率で打点が付いてくる状況だ。昨年の活躍から今年は人一倍期待される選手だけに、非常に精神面が不安になってくるところであるが、先の点から非常に安心して打席に立てているように感じる。

 実に理想的な育成である。

現代野球おいて育成の一番の方法は、とにかく試合に出させることである。しかし、なかなか結果が出ない選手を使い続けるのはチームとしても非常に苦しく、選手本人も同様である。そんな中、こと岡本に関しては昨年の高橋監督も粘り強く起用を続け、今年に入っても不調の中4番での起用が続く。特に今年の原政権は優勝が至上命題だけに、我慢しながらの起用は難しく見えた。しかしそれ以上に前述の上位3人の調子が良く岡本も打点という結果が出やすくなっている。そういう意味では丸の獲得はチームの育成にも良い影響を与えていると思う。

チームを考えると野手の若手育成は急務である。トップバッターを務める吉川は好調をキープもまだまだ経験不足である。ともすると丸に脂が乗っている間こそ石川などの若手育成のチャンスになるのではないだろうか。 

 

 

開幕から好調の巨人に見る今後の課題。

 球界の盟主が開幕から好調だ。
 開幕戦でセ・リーグ3連覇中のカープに屈するも、その後2連勝でカード勝ち越し。その後、本拠地開幕となった伝統の一戦では、タイガース相手に3タテと現在リーグ首位を走り、4月10日現在チーム打率.278、チーム防御率3.00と共にリーグ1位を記録している。

 目立つのは上位打線。1番吉川(打率.432)2番坂本(打率.412)とともに打率4割を超え、毎年スロースターターである丸も打率.298と、何とか踏ん張りを見せている。また、打てなくとも相変わらずの選球眼で四球を選ぶという、調子の良し悪しに影響されず好機を作り出せている。

 4番岡本も打率こそ低いが本塁打3本と、悪いながらも持ち味を発揮しており、9日のドラゴンズ戦では7番に入った新外国人ビヤヌエバが2本のホームランと活躍を見せた。この日も4番岡本、5番陽、6番ゲレーロと打率こそ低いもの長打が期待できる打者が続いており、上位の出塁を誰かが得点につなげるといった、大味な攻撃パターンが功を奏している。チーム成績にも表れており、三振数リーグ1位、本塁打数リーグ1位とまさに大味な攻撃が顕著になっている。

 この調子でシーズンが乗り切れればいいが、打撃は水物。いつ上位陣の調子が落ちるかもわからない。リスク管理という意味では丸のように調子に左右されない選球眼や、スランプはないと言われる、足を絡めた攻撃も必要になってくるであろう。

 そんなチームの状態に余裕のある今、足のスペシャリストとして名を馳せた鈴木コーチには、是非足のスペシャリストを。現役時代はくクセ者と呼ばれた元木コーチには2代目クセ者を育て上げてほしいものである。去年までの金本タイガースに見るように勝利と育成の両立は難しい。そこに着手するタイミングとしてはこれ以上ない時を迎えているように思う。